ア行
カ行
サ行
タ行
ハ行
マ行
ラ行
ワ行
アルファベット
ア行
アートワーク
回路設計に基づいて制作された、プリント基板のパターン図面のこと。なお、マウンターや自動挿入などを行う際には、ガイドピン用の穴を指定箇所に配置する必要がある。
アルミナ基板(アルミ基板)
アルミナ(酸化アルミニウム)を基本材料としたセラミック基板のこと。熱伝導性・絶縁性に優れているため、パワー回路などによく用いられる。
板厚
メッキ箇所を除くプリント基板の厚さのこと。安定した特性を維持するためには、基板の板厚を統一する必要がある。
エッチング
化学薬品などを使い、その腐食作用を利用して表面を加工する技法のこと。プリント基板製造においては、パターンとして残したい銅箔以外を除去する工程として用いられる。
カ行
ガーバー製造
ガーバーデータ(CAMデータ)からプリント基板を製造すること。製造依頼の際、ガーバーデータを用意するのが一般的であるが、ガーバーデータの作成を引き受けている基板製造業者もいる。
ガーバーデータ(CAMデータ)
プリント基板のパターン幅、ルートなどが記述されたデータのこと。プリント基板製造には、このガーバーデータとドリルデータ(穴座標などを記述したデータ)が必要となる。
ガーバーフォーマット
プリント基板のパターンをフィルムにプロットするために必要なガーバーデータのフォーマット。主なフォーマットとして、RS274-D(標準ガーバー)とRS274-X(拡張ガーバー)がある。
外形図
プリント基板の外形のサイズとVカット、ルーター加工、ロングホール(長穴)などの位置を図で表したもの。
外形寸法図
プリント基板の大きさ(サイズ)を縦・横の寸法(数字)で表示している図のこと。
回路図
電子機器などの回路を記述した図のこと。実際のパターン図とは異なるが、プリント基板のアートワークはこれをもとに生み出される。
片面基板(片面プリント基板)
片面のみに導体パターンが施されたプリント配線板のこと。1層基板とも呼ぶ。
紙エポキシ基板
紙にエポキシ樹脂を含浸させた基板のこと。紙フェノール基板と同様に片面基板として使用される。耐アーク性、耐トラッキング性、耐湿性に優れている基板である。
紙フェノール基板
紙にフェノール樹脂を含浸させた基板のこと。別名ベークライト基板(ベーク基板)とも呼ばれ、主に片面基板に用いられている。
ガラスエポキシ基板
布状に編んだガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた基板のこと。最も一般的で汎用性の高い基板であり、両面基板以上の多層基板として広く利用されている。
ガラスコンポジット基板
マット状に切り揃えたガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸させた基板のこと。安価で耐トラッキング性に優れた両面基板として、幅広い分野で使用されている。
貫通ビア
プリント基板の全層を貫通する穴のこと。基板の各層を接続するため、その内側は導体でメッキされている。スルーホール・ビアともいう。
キリ穴
取り付け穴・部品穴や位置決め穴のこと。正確な寸法を出すため、先に実寸よりも小さい穴(下穴)をあけるのが一般的である。
金フラッシュ仕上げ
基板表面を薄い金メッキでコーティングすること。従来の半田レベラに代わる技法であり、下地にニッケルメッキを施すのが一般的である。
グランド(グラウンド、GND)
電気機器・電子機器における入出力信号の基準電位点のこと。積層基板の場合、内側の層にグランド層を設けることが多い。
クリアランス
異なる部品間の距離、ランド・パッド間の距離、または配線パターン間の距離のこと。プリント基板を製造する際、クリアランスも考慮して設計する必要がある。
検図
設計図面をチェックすること。部品配置完了時、配線完了時などに実施する。チェック項目をあらかじめ用意しておくとより効果的である。
コンポジット基板
異なる種類の基材を組み合わせた基板のこと。代表的なコンポジット基板として、ガラス布・ガラス不織布・難燃性エポキシ樹脂からなるCEM-3などがある。
サ行
試作回路
新しい技術や製品の検証などのために設計される回路のこと。また、量産前での問題点の洗い出しなどにも利用される。
実装
基板に電子部品を取り付ける(はんだ付けをする)こと。実装にはフローとリフローがあり、その方法によって必要となる設備やはんだの種類が異なる。
シルク印刷
プリント基板上に電子部品のシンボルを印刷すること。近年ではポリエステル繊維がシルクの代わりに使用されている。
ソルダーレジスト
プリント基板上に形成される耐熱性保護膜のこと。はんだ付けが必要なランド以外にはんだがつかないよう保護し、はんだ付けの際のはんだショートを防ぐ等の役目を持つ。
タ行
多層基板(多層プリント基板)
ウエハース状に導体層と絶縁層を3層以上積み重ねた基板のこと。表面層以外は直視できないため、4層以上になると内側の層は電源層・グラウンド層として用いられることが多い。
端子金メッキ
基板と外部接続するコネクタ端子などに金メッキを施すこと。従来ははんだメッキが主流だったが、現在は環境汚染の観点から金メッキ、ニッケルメッキが多く採用されつつある。
テフロン基板
絶縁材にテフロンを用いた基板のこと。高周波特性に優れているため、衛星通信・無線通信用の基板として利用されることが多い。
ハ行
表面実装
あらかじめ部品を載せる箇所にはんだを付けて実装する方法のこと。基板に貫通穴をあける必要がなくなるため、実装密度の増加、基板部品の小型化が図れる。
プリント回路
プリント基板(導体パターンがプリントされた基板)上の回路のこと。回路設計に基づいた適切なパターン設計が求められる。
プリント回路板
プリント配線板に部品を実装し、プリント回路を形成した板のこと。英語表記(Printed Circuit Board)の頭文字をとって、PCBとも呼ばれている。
プリント配線
回路設計に基づいて部品間を接続するために描かれる導体パターン、またはその技術のこと。絶縁体である基板の表面、または表面とその内部に施される。
プリント配線板(プリント板)
プリント配線を施しただけで、電子部品がはんだ付けされていない状態の基板のこと。プリント配線基板、プリント基板、プリント板ともいう。
フローはんだ
接着剤で部品を取り付けた基板を、加熱して溶かしたはんだの槽の上に流してはんだ付けを行う方法のこと。リード部品を一度にはんだ付けできるという利点がある。
マ行
メタルマスク
表面実装用部品を載せるランドにクリームはんだを塗布する時に使用する印刷用版。パターン(開口部)のあるメタル部、その周囲を支える弾性部と版枠で構成されている。
メッキ厚
メッキを施した際に形成される金属膜の厚さのこと。基板の品質と信頼性を高めるためにはメッキ厚をチェックし、均一で適切な膜厚になるよう工夫することが大切である。
ラ行
リピート製作
一度製作した基板を再度製作すること。ガーバーデータやドリルデータを提出することなく、同じ基板を製造することができる。
リフローはんだ
基板にクリームはんだを塗布し、部品を載せ、リフロー炉などで熱を加えてはんだ付けする方法のこと。電子部品にはリード部を持たない表面実装用部品(SMD)が用いられる。
両面基板(両面プリント基板)
両面に導体パターンが施されたプリント配線板のこと。2層基板とも呼ぶ。
ルーター加工
基板を表面処理した後に行う外形加工方法のひとつ。基板が複数つながったシート(ワークサイズ)から、側面に刃のついた円形のビットで基板端面をなぞるようにして切り出す。
レジスト
エッチングなどの処理を施す際に使われる保護膜のこと。プリント基板の製造工程においては、配線として残したい部分の銅に薬剤が触れないよう保護するために塗布される。
ワ行
ワークサイズ
一定の大きさに切断した基板の集まり、またはその大きさ。複数の基板がシート状につながっており、このシートからルーター加工などで基板の切り出し、仕上げを行う。
アルファベット
CAM
CADで作成された形状データをもとに、加工用NCプログラム作成などを行うシステムのこと。コンピュータ支援製造(Computer Aided Manufacturing)の略。
CEM-3
ガラス布・ガラス不織布・難燃性エポキシ樹脂からなる積層基板のこと。FR-4とほぼ同等の特性を持ち、両面スルーホール基板として広く用いられている。
Dコード表
CAMで作成されたガーバーデータ(CAMデータ)の寸法・形状などの情報をリスト化したもの。アバーチャリストとも呼ばれる。
DIP部品
樹脂やセラミックでコーティングされたパッケージ部品のひとつで、スルーホールに部品の足を差し込んで実装(フローはんだ)する必要のある部品のこと。
FR-4
難燃性ガラス布基材エポキシ樹脂を使い、一般的な耐熱性を備えた積層板のこと。FRとは、銅張りのプリント積層基板の難燃性を示す指標である。
G-10
アメリカ国内の工業製品の規格を制定するANSIが定めるグレードのひとつ。非難燃性タイプのガラスエポキシ樹脂銅張り積層板のこと。
LED基板
LED(発光ダイオード)を実装した基板のこと。液晶分野、照明分野で使われるパワーLEDに使用する基板には、一般的な樹脂基板よりも高い放熱性が求められる。
NCデータ(ドリルデータ)
NC加工に必要な位置、経路、送り速度などの情報を記述したデータのこと。プリント基板製造においては、基板に穴をあけるためのドリルデータのことを指す。
RoHS(ローズ)
欧州連合(EU)による、電子・電気機器に含まれる特定有害物質の使用制限についての指令。主なRoHS対策として、鉛フリーはんだ基板の開発などが挙げられる。
RS274-D(標準ガーバー)
米国電子工業会が規格化したガーバーフォーマットのこと。「点」と「線」の組み合わせで記述されるため、アートワークを作画するにはDコードが必要となる。
RS274-X(拡張ガーバー)
RS274-Dを改良したガーバーフォーマット。Dコードを別途に用意する必要がなく、「面」での記述でデータ量を削減できるなど、標準ガーバーに比べてメリットが多い。
Vカット(V-CUT)
プリント基板製造後にV字型に入れる溝のこと。基板同士、または基板と捨て板を分割しやす くするため、適切な箇所に加工を施す。